飼育環境 |
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簡単なセッティングの例
■主な設備
1,ケージ
2,床材
3,紫外線ランプ
4,保温器具
(バスキングランプ・ナイトランプ・パネルヒーター・サーモなど)
5,シェルター
6、水入れ |
■ケージ
ケージの大きさは巾が全長の2倍以上、奥行きが全長以上と言うのが基本です。
個体のサイズにもよりますが30cmぐらいまでのベビー〜ヤング個体でしたら60cmレギュラー水槽(600*300*H360)でも飼育できます。
30cm〜アダルトサイズだと90cm水槽(900*450*H450)程度のスペースが必要です。90cmであればペアでの飼育も可能です。
地上性のトカゲですが、多少ジャンプ力もありますし、小さい時は配線などを伝って登ることもあります。事故防止のためにも蓋は必要です。
■床材
床材は砂類、新聞紙等、コルク板など
私は表面がすべり止めになったビニールマット(フロアーマット)を使用しています。
良い点として、
すべりにくく、掃除も楽(ふき取るだけ)、価格も安い、洗って何度も使用可、砂と違って飲み込む心配が無い、スキマが出来にくく餌が下に潜り込みにくい・・・・など。
新聞紙使用の場合は一部にレンガタイルなどを敷くと良いです。レンガの上を歩くと自然と爪がちびます。
特にベビーには新聞紙では爪が伸びて滑ってしまい将来的に歩行異常等が出やすくなる可能性がありますので注意が必要です。
■紫外線ランプ
フトアゴは強めの紫外線が必要と言われています。
爬虫類用紫外線蛍光灯やメタハラなどを使用します。爬虫類用蛍光灯の場合、なるべく紫外線量の多い物を選びましょう。紫外線はガラスなどを介すると紫外線量が極端に落ちてしまいます。ランプから直接個体へ光が届くような設置が必要です。
あとほとんどの紫外線ランプは使用していると紫外線量が落ちてjきます。ランプに適した時期での交換が必要になります。
照射時間は一日8時間〜10時間程度と言われています。
■保温器具
フトアゴの場合、昼間28〜33℃、夜間23〜25℃ぐらいが目安だと思われます。
一部バスキングスペースとして35℃〜40℃ぐらいになるホットスポットスペースを設けます。バスキングランプやハロゲンランプなどを使用します。
他に保温用にパネルヒーターやナイトランプ、保温球などを使用します。
パネルヒーターなどで下から暖めるのが理想的なのですが、寒い時期はそれだけでは気温が上がらないため、ナイトランプや保温球で加温します。サーモを介してセットしておくと便利です。
特に夜間はお腹が冷えないようにして下さい(消化不良等の原因となります)。
■シェルター
体温調節・複数飼育の時のストレス防止などから、フトアゴにもシェルターがあった方が良いです。
フトアゴぐらいのシェルターとなると大型になってしまいますので、レンガの上に板を置くなどした簡単な物を設置する事になります。
私のところはスペースの関係でシェルターの上がバスキングスポット、下がシェルター代わりになっています。
■水入れ
あまり大きすぎると中に入ってフトアゴの遊び場になってしまいます^^
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給餌 |
■餌の種類
フトアゴは雑食性です。
基本的には成長期には動物性の餌メインで、アダルトになれば植物性をメインにすると良いと言われています。
生き餌はコオロギ、シルクワーム、ローチ類など。野菜はチンゲンサイ、小松菜、人参、クローバー、タンポポの葉などです。
餌にはカルシウム剤を添加して与えてます。
人工餌ではフトアゴフードがあります、餌付けば人工餌メインも可能ですが、生き餌と比べると成長にかなり差が出ちゃうようですね。それに生き餌を与だすと、人工餌は食べなくなってしまう個体がほとんどです。人工餌だけで終生飼育は可能と言われていますが、人工餌だけで育てられた個体を見たことがありませんので、ちょっと疑問が残ります。
■餌の回数・量・時間?
餌はベビー〜ヤング個体の場合、1日1回、アダルト個体の場合は2〜3日に1回程度です。
一回に与える餌の量ですが、成長期には食べるだけ与えると言うのが良く言われている事なのですが、実際には底無しみたいな食べっぷりを示す子がほとんどなので、餌代が大変です。
かなり個体差ありますがイエコ(Lサイズ)で例にとるとLサイズが食べれるようになったベビー(全長20cmぐらい)で1回に5匹程度、全長30cm前後の成長期の個体で10匹程度です。
(食べさせれば20匹以上は食べると思いますが・・)
完全なアダルト個体になれば反対に少し減らしても良いと思います。
餌を与える時間ですが、消化を助ける意味合いでいけば、朝起きて1〜2時間してから餌を与えるのが理想かなと思います。消灯前に餌を与えなければいけない場合、餌を食べた後、消化を助ける意味で2時間程度はバスキングが出来るようにしておくと良いです。
■カルシウム剤添加について
カルシウムが不足するクル病(骨格異常)になったり。健康に支障をきたします。
よって餌にカルシウム剤をダストして与えるのですが、カルシウムを吸収するためにはビタミンD3が必要になります。フトアゴの場合、紫外線を浴びることにより初めて体内でビタミンD3を合成し、カルシウムを体内に取り込んでいるのです。
よって飼育下で紫外線の出るライトが必要になるわけです。
ただ、人工的な光には限界があります。晴れた日は自然の太陽光の下で出来るだけ日光浴させてやると良いのですが、なかなか仕事を持ってるとそう言うわけにもいかないですよね。この場合D3の不足も補う意味でD3入りのカルシウム剤を餌に添加する事になります。
ココで少し問題が出るのですがD3の過剰摂取と言う問題もあるのです。ビタミンD3の過剰障害は食欲不振や腎臓障害などを引き起こします。十分紫外線を浴びることの出来る環境にいる個体には、体内で十分D3を作り出すことが出来るのでD3の添加は過剰摂取の要因となってしまうのです。
(実際には、体内で作られるD3と、摂取によるD3とは体内への取り入れ方が違うと言うことで単に不足分を摂取すれば良いと言うわけではないらしいです)
実際問題としては、日光浴がほとんど出来ず、室内で紫外線蛍光灯のみでの飼育個体などの場合、最低でも3回に1回はD3入りのカルシウムをダストすると良いようでしょう。
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日常管理 |
■管理
毎日やることと言えば、糞の掃除と水交換、給餌などでしょうか。
糞は結構臭いのでこまめに取るようにはしてます。でも、結構臭います^^;
体重と体長(全長)を定期的に計っておくと良いですね。
■脱皮
フトアゴも脱皮を繰り返して成長します。
脱皮時にはやはり湿度が必要で、霧吹き等で湿度を上げてやると良いです。脱皮不全は足指の欠損などにもつながります。
フトアゴの脱皮はレオパなどのように服を脱ぐように一気ではなく、少しずつはがれていく感じです。
■温浴
温浴は必要か?と言われると???です。クセにならない程度に行って下さい。
清潔に保つための目的でされるのであれば良いのですが、体調を整えるための目的であれば、健康なときに温浴するのはかえって逆効果です。リクガメの温浴でも言われていることなのですが、温浴しないと健康が維持できない個体になってしまう可能性があるからです。リクガメの場合、小さい頃から毎日のように温浴を行ったため、温浴をしないと糞をしない困った個体がいることも事実です。これは飼育者の責任ですよね。
温浴は新陳代謝が良くなり、便秘気味だった子が糞をしたり、体外の寄生虫を除去したり出来ます。ですから、それが「クセ」にならない程度に行うことをオススメします。
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他・用語 |
■アームウェービング
前足をグルグル回すような行動で、主に♀個体がやってることが多いです。
相手に対して服従すると言うような意味があるそうですが、
■ホビング
頭を上下に振る行動で主に♂個体がやってる事が多いです。
♀個体もやるのですが、♂ほど激しく振りません。
相手に対して威嚇・誇張してるように見えますが、実際のところはどうなんでしょうか??
♂個体がホビングしてるとき、♀個体がアームウェービングで答えてる時も^^
■クリアネイル
バリエーションの一つ
名前の通り爪が透明と言うことですが・・・。
通常は爪の前(上)側が黒く、内側が透明ですが、クリアネイルは前側も透明になっています。
ハイポメラニスティックの一つの表現型とされています。現在は色々なカラーのクリアネイルが存在しており、爪の透明さにも若干違いがみられるようです。
■トランスルーセント
バリエーションの一つ
半透明を意味する言葉。
フトアゴの場合は鱗が半透明になっている表現型で、いわゆる肌が透き通るようなバリエーション。
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