カメレオン雑学

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カメレオンが絶滅する日

 そもそも、種の「絶滅」というものは、地球の歴史の上では自然に繰り返されおこってきたことなのです。
地球上に生命が誕生して約6億年。生物は新しい種の誕生と絶滅を繰り返してきました。6億年の間に生物の90%以上が絶滅したと言われています。
絶滅が短期間におきることを大絶滅というそうですが、今までに5回の大絶滅があったとされています。一番新しいところでは約6500万年前の恐竜の絶滅です。
しかし、近年の生物の絶滅のスピードはあまりにも早く、その原因が人類にあると言うことはとても悲しいことです。恐竜の時代は1000年に1種程度の絶滅だったと言われていますが、現在は1年に40000種とも言われています。

絶滅はペットや毛皮などの目的による乱獲での絶滅もありますが、それ以上に地球規模の自然破壊が進んでおり、生物が生息する生態系そのものの破壊によって、絶滅が進行しています。

現在、世界では、哺乳類、鳥類、は虫類、両生類だけでも5000種近くが、「絶滅」の危機に、瀕しているそうです。

人類が、地球上に誕生する以前に、ある種の絶滅が起こる確率は、哺乳類で、約8000年に1種、鳥類では、2000年に1種程度と、計算されていたそうですが、数年前の資料ですが、現在、哺乳類では、4年に1種、鳥類では、2.5年に1種が、絶滅した計算になってるとのこと。
今はもっと短くなってるかもしれません。

全生物種の80%が住んでいる熱帯雨林(地球の7%)では、1日に74種が絶滅していると言われています。熱帯雨林に生存する種の25%が2025年までに絶滅するだろうとの予測もあります。

カメレオンは約150種類いるそうですが、そのうち50種類程度が日本に輸入されているそうです。
カメレオンのほとんどはアフリカ大陸やマタガスカルに生息しているといわれていますが、それらのカメレオンは、「ワシントン条約」で取引が規制されています。

ワシントン条約
正式には「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約」というもので、英語での頭文字をとってCITES(サイテス)と呼ばれ、野生生物取引の国際ルールとなっています。

この条約では取引を制限する必要がある野生生物のリストである「付属書」と言う物があります。

附属書T 絶滅のおそれのある種であって取引による影響を受けており又は受けることのあるもの。

商業のための輸出入は禁止。
学術的な研究のための輸出入などは、輸出国と輸入国の政府が発行する許可書が必要となる。

附属書U 現在必ずしも絶滅のおそれのある種ではないが、その標本の取引を厳重に規制しなければ絶滅のおそれのある種となるおそれのある種、又はこれらの種の標本の取引を効果的に取り締まるために規制しなければならない種
輸出入には、輸出国の政府が発行する許可書が必要となる。
附属書V いずれかの締約国が、捕獲又は採取を防止し又は制限するための規制を自国の管轄内において行う必要があると認め、かつ、取引の取締のために他の締約国の協力が必要であると認める種。

輸出入する場合には、輸出国の政府が発行する許可書が必要となる。


カメレオンは「ロゼッタカメレオン」が付属書T、それ以外のカメレオンが全て付属書Uに記載されています。このことは明らかにカメレオンが絶滅を危惧されている種だというのはわかりますね。

ロゼッタカメレオンは2002年に付属書Tに掲載されましたが、それ以前に輸入され、飼育されているものは、そのまま飼育できますが、国内の「種の保存法(絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律)」により国内でも規制されます。

カメレオンが全種「付属書T」になり、「種の保存法」で規制される日も来ないとは限りません。


カメレオンにも近年の地球温暖化や異常気象などは、かなり影響があると思われます。野生個体減少はペットとしての乱獲なども原因の一つですが、人類がもたらした環境破壊などによる生態系そのものの破壊が大きいようです。

カメレオンの半数以上の種がいるマダガスカルでは、かつて国土の80%が森に覆われていたとされていますが、現在では国土の7〜8%程度しか森が無いと言われています。十分の一に減ってるわけです。毎年1万5千ヘクタールの森が消え、このままでいくと約30年後には森がなくなる計算になると言われています。
マダガスカルの衛生写真見ると、東部側沿岸部は緑色の部分がありますが、それ以外は殆どが土色なんですよね。

この森の全てにカメレオンが住んでいるとは言えませんが、森が無くなると言うことは、森でない場所にも多大な影響を与えます。森の絶滅=生物の絶滅を意味します。

カメレオンを「ペットとして飼育しない」のが最善の方法とも言えません。今の生息域の環境の現状を考えれば、野生個体採集を止めても、野生個体が元のように増えるとはとても思えないからです。
商業目的としても、繁殖場や個人飼育者などで、人為的にカメレオンの繁殖を進めるのは、種の保存と言う意味では効果あると思います。
かつてアジアアロワナ(付属書T)がそうだったように。


現地の現状を、自分の目で確かめたわけではありませんが、
       野生のカメレオンが絶滅する日・・・・・・・・あり得ない話では無いのは確かです。     

まずはこれ以上森を減らさないこと、森を本来の姿に戻すことでしょう。
そうすれば、いつの日か、飼育下で殖やしたカメレオンを森に返す事も出来るかもしれません・・・・・。




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最終更新日 2007/02/06

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