カメレオンは,ヨーロッパやアジアの一部を除き,その多くがマダガスカル島とアフリカに生息しています。
マダガスカルはアフリカ大陸の東約400kmにあり、1億年以上前に大陸から分離し移動を始めたとされる島です。マダガスカルにはカメレオンの半分以上の種が生息しています。
カメレオンの祖先は,マダガスカルが大陸と分離する以前に大陸からマダガスカルへやってきたと考えられていましたが、どうやら反対の可能性もあると言うことがわかってきました。
アメリカ自然史博物館の研究者の分子生物学的手法を用いた研究により,52種の細胞のミトコンドリアDNA(母系遺伝をたどるのに有用な分子)を解析し,もっとも古い系統が5000
〜9000万年前に現れたマダガスカル産小型種であり,アフリカの種が出現するのは3000〜7000万年前という結果を導きだしました。
その結果によると、カメレオン類は何度かにわたってマダガスカル島から出て散らばったのであり、その時期は、マダガスカル島がアフリカ大陸やインド大陸から分離してからずっと後のことだったという。この説は、プレート変動でできた海洋や山脈が障壁となって、近縁な種が現在のように分布したことを示唆する従来のいくつかのモデルとは相容れない。(Nature誌 Vol. 415より一部抜粋)
カメレオンが泳いで海を渡ったとは考えられないため、当時存在したかもしれないアフリカとの間の陸橋を歩いて渡ったか、倒れた木や流木に乗って、各地に散らばって行った可能性が推測されるということです。
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